電気災害の概要

  • 電気は、生産活動のエネルギー源として必要不可欠なものであるが、誰もがその危険性をあまり意識することなく、安易といってもよいほどの取扱いをしている。
  • 感電(電撃)のほかスパーク、漏電が原因となった爆発火災などが発生している。
  • 感電については、充電(通電)されている電線などへの接触のほか、アーク溶接時に溶接棒ホルダーへの接触、あるいは漏電している機械設備のフレームヘの接触によるものが過去にはかなりあったが、交流アーク溶接機用自動電撃防止装置、感電防止用漏電しゃ断装置の義務づけ、普及によりこれらの災害は激減している。
  • しかし、送電線や配電線などの電気工事、ビルや工場の増改築などに伴う電気室や電気配線の切換工事、建設工事で使用されているベルトコンベヤー・水中ポンプの取扱い、配電線などに接近した場所での移動式クレーンによる作業などにおける感電災害は、減っていない
  • その他、電気に関する事故・災害としては、毎年、一般住宅を含めてかなりの数の発生がみられる漏電による火災静電気による爆発火災などがある。

電気設備に対する安全対策

1.電撃(感電)対策

(1)電撃の危険性と要因

  • 電撃の危険性は、直接的には電圧の高低ではなく、以下が要因であり、対策の対象となる。

   @電流の値

     *IEC(国際電気標準会議)基準:人間の場合、死亡に至る電流は、40mA×3〜10秒の通電

   A電撃を受けている時間

     *人体に通電されている時間が長くなると危険が増すが、電圧と電流の観点で配慮が必要       

電撃時間(秒)  1.0  0.8  0.6  0.5  0.4  0.3  0.2
危険接触電圧(V)    90  100  110  125  140  165  200

 

電撃時間(秒)  1.0  0.8  0.6  0.5  0.4  0.3  0.2
危険電流(mA)  180  200  220  250  280  330  400

   B電源の種類

     *電撃の危険度は電流が交流か直流かによって、また、電源の周波数によっても左右される。

     *周波数が50Hzまたは60Hz付近の離脱電流が最も小さく、最も危険である。

     *直流は交流の4〜5倍危険である。

(2)安全電圧

   @感電したときの電気的条件が最も悪い場合を前提として、諸外国では安全電圧を設定している。

     *ドイツ、イギリス・・・24V オーストリア・・・65V(0.5秒) 110〜130V(0.2秒)

      ベルギー・・・35V スイス・・・36V オランダ・・・50V フランス・・・24V(交流) 50V(直流)

      日本・・・安衛則では対地電圧50V以下が除外となっており、安全電圧とみなされる

(3)対策

   @露出充電部の防護・停電

   A漏電遮断器、自動電撃防止装置

   B保護具、防具の使用

   C安全衛生教育

2.電気設備による引火爆発対策

(1)電気設備による火花、アーク、加熱が点火源となり、引火性のものが大量に扱われる環境で爆発

(2)爆発可能性のある電気設備

   @開閉器類:刃形開閉器、電磁開閉器で負荷電流を開閉するとき

   A電動機類:電動機が過負荷で異常に加熱、巻き線が短絡及び地絡をしたとき

   B配線器具:差し込みプラグを受け(コンセント又はコネクター受け)に差し抜きするとき

   C照明器具類:管球が破損したとき、蛍光灯の安定器の過熱など

   D各種計測器:電池を内蔵している計測器

   Eその他機器:抵抗器類、電磁弁用電磁石、電磁ブレーキなど

   F電気配線:漏電、短絡、断線

(3)対策

   @基本防爆構造の電気設備の使用

   A粉じんに対する防爆構造の設備の使用

3.電気火災対策

(1)電気火災の要因

   @電気設備や電線の絶縁劣化

   A過熱、湿気、腐食などによる絶縁破壊

(2)対策

   @絶縁抵抗の測定による絶縁状態の確認

   A他の金属体(建物、水道管、ダクト、ガス管、フレーム、ラスなど)や可燃物と隔離する

   B短絡、漏電などで過電流が流れる場合は速やかに電気の供給を停止

   Cヒューズ、ノーヒューズブレーカー等の保守点検

   Dコード、ソケット、コンセントなどは表示されている許容電流を超えて使用しない

   Eその他、安衛法で定められている電気設備の使用方法遵守

4.静電気による危険防止対策

(1)静電気発生要因

   *2つの異なる物体が接触、分離するときにその界面で電荷の移動が起こり発生する

    (例) ベルト、ロールなどによる帯電/粉体の帯電/引火性液体の帯電/人体の帯電

(2)静電気の危険性

   @爆発火災・・・引火性のものが空気などと混合して爆発の雰囲気になり、静電気の放電により発生

   A電撃・・・帯電している人体/物体の間に放電が起こり電撃が発生

   B生産障害・・・静電気が放電したときの放電電流、電磁波、発光により生産システムが暴走、停止

(3)対策

   @静電気発生の抑制・・・滑り摩擦、流動物の流速、接触する相互の物体の組合せ

   A電荷の蓄積防止・・・接地抵抗、導電性の靴・床、相対湿度を60〜70%に加湿、除電器の使用 

労働安全衛生コンサルタントグループとして以下のご支援を致します

1.電気安全に関する現場診断と改善提案

2.電気安全に関する改善のご指導

(1)本質安全の為の設計レベルの改善

(2)安全装置の機能改善

(3)危険部分の防護改善

(4)電気安全のための標準化

(5)点検整備方法の改善

(6)電撃(感電)危険防止のための対策・改善

(7)電気設備が原因する爆発火災の防止

(8)静電気による危険防止対策・改善